シャギードッグ 天使の序章

シャギードッグ 天使の序章 (GA文庫)
作者:七尾あきら
挿絵:宮城
 
GA文庫の公式サイトで動画見て以来、気になっていた作品。

<日本震災>後の近未来日本
平凡な日常を愛する高校生、大介は、遊園地で着ぐるみのバイト中、拳銃自殺を目撃してしまう。
自殺した男に拳銃を渡した美少女の名は「オズ」。
しかし衆人環視の中、彼女を認識したのはなんと、大介だけだった。
 
この事件を発端に大介の「日常」が崩れ出す。見知らぬ幼なじみ「まりん」、死にたがりの「オズ」、暗躍する異能者たち。幼くして脳内導入*1された大介の格闘プログラムに、隠されていた秘密とは――!?
(カバー裏表紙より)

ジャンルは近未来ハードアクション、「9S」とか好きな人なら楽しめるんじゃないかと。
 
内容はかなり詰め込まれた感じで、駆け足展開ではあるのですが、人物が魅力的なので無問題です。
特に好きだったのは次の三人。

  1. 主人公:大介
  2. 主人公の後見人:桂
  3. 訳有りっぽいオネーサン:亜夜

 
主人公の大介は、知らぬ間に動物に懐かれる癒し系のキャラ。
力はあるけれど振るうべき時を知っている賢いコで、要は本気でキレると恐いタイプです。
ただ本人はそうした「衝動に負ける」ことを極端に恐れています。
何故その性格になるに至ったのかが、物語の一つの軸でもあります。
 
この大介をバックアップするのが、好々爺然とした「桂」。
スプリガンで言うと、「朧」に相当する人物ですな。
が。
手癖が悪く相手に気づかれないほど無駄に超高速で「お触り」までしでかすので、むしろ亀仙人かもw。
 
最後に亜夜。
この人はあれだ、「特捜司法官*2」です。
対象を自らの権限で裁く事を許された人物で、非情な方かと思いきや本書のラストで極めて情緒細やかなトコロを垣間見せます。
そのギャップが可愛らしいです!
 
メインヒロインの「オズ」は、ZZのプルツーみたいで目が離せませんし、幼馴染の「まりん」は、どこにでもある日常のエピソードでグイッと迫ってきます。
それでいてドタバタせず、ハードな雰囲気を保ち続けているのが素晴らしいです。
この硬派な路線で続きが出るのなら、嬉しいなぁと思います。

*1:インストール、と読みます

*2:原作:麻城ゆう