トリックスターズL

トリックスターズL (電撃文庫 (1174))*1
作者:久住四季
挿絵:甘塩コメコ
 
(※画像は無関係です)

印象

  • 原点主義、もといクラシカルな仕上がり。
  • 巻頭の人物紹介、某氏の異称が「三羽烏」から「迷刑事」になっていて、思わず笑ってしまいました。

 

感想

キャラクターよりも、作品の構造自体が魅力的でした。
不自然な死。
荒唐無稽な解決編。
そして・・・。
その裏で繰り広げられていたトリックスターのギャンブルめいた駆け引き。
相手の手を読みあっての高度なアドリブはスゲーです。
前作同様、終盤のラストスパートに惚れ惚れしました。
 
「全ての可能性を消去して、残ったものが真実」
変化球だけれど、ミステリのストライクゾーンに収まっているのが凄いと思いました。
(ある意味、王道だったと言っても良いかと)

白泉男子って?

run_about2007-06-20

こちらで初めて目にしたのですが、「婦女子*1」の対義語らしいです。

そういえば、自分も最初に買った少女漫画は白泉社*2でしたね。
そのあとは、コバルトや他レーベルのライトノベルの挿絵担当者を狙って買ってみたりしたっけ。
(今日の写真は、そのパターンの一例です*3
 
んでは、判定に移りたいと思います。
(テンプレは、上のリンク先経由で入手しました)
 

少女漫画経験値(白泉社限定版)
ルール:
■基本的に白泉社で描いてる人、あるいは過去に描いてた人
■知らない:× 知っているだけ:△ 作品を読んだことがある:○ 購入したことがある:◎ をつける
■100人居ます、暇なときどうぞ

<あ>
愛田真夕美 ×
明智抄   △ 麻城ゆう「タロットカードは死を招く」の挿絵で
麻生みこと ×
安孫子三和 ○ 「みかん・絵日記」友人が持ってると買わないやね
天原ふおん ×
樹なつみ  ◎ 「花咲ける青少年」で大ファンに!
絵夢羅   △
遠藤淑子  ×
岡崎呼人  ◎ 「わんの実」アレルギーなのにね
岡野史佳  ○ 「瞳の中の王国」は借りた
岡野玲子  △ 

<か>
加藤知子  ◎ 「天上の愛地上の恋」BLでしたな
神谷悠   △ 
河内美雪  △
河惣益巳  △
川原泉   ◎ 「笑う大天使」買ったのは映画化してから、コミック文庫で(笑)
かわみなみ ×
喜多尚江  ◎ 「空の帝国」いやもう大好き。英里が格好良すぎる!
木原敏江  △
草川為   ◎ 「龍の花わずらい」絶対に黒い方の人が良いです。
玖保キリコ △ 
倉多江美  ×
呉由姫   ○ 「金色のコルダ」アニメ化の影響で

桑田乃梨子 △
神坂智子  ×

<さ>
冴凪亮   ×
酒井美羽  △
坂田靖子  ×
サカモトミク ×
桜井雪   ×
佐々木倫子 ○ 「動物のお医者さん」動物好きの友人が居たので
ささだあすか ×
椎隆子   ×
柴田昌弘  △ クラダルマならw
清水玲子  ○ 「輝夜姫
杉山志保子 ◎「ばくシリーズ」妹尾ゆふ子の「夢語り」の挿絵でファンに。
鈴木ジュリエッタ △「カラクリオデット」は知ってるw


<た>
高尾滋   ◎「てるてる×少年」眼鏡忍者が可愛いですな
高口里純  △
高橋由紀  ×
高屋奈月  ◎「幻影夢想」だんだんと目が大きく・・・
立花晶   ○
橘裕    ◎「ヴァンプシリーズ」ストーリーは完璧に忘れてますが
立野真琴  ○「D-WALK」
田中メカ  △
筑波さくら ×
津田雅美  ◎「彼氏彼女の事情」一時期の勢いは凄かったですね
藤丞めぐる ◎「緋桜白拍子」和装が好きだった頃がありんす〜

<な>
なかじ有紀 ○「ビーナスは片想い」
中条比紗也 ○「花ざかりの君たちへ
仲村佳樹  ○「MVPは譲れない!」
那州雪絵  ◎「天使とダイヤモンド」高校野球の話だったかな
成田美名子 △
猫山宮緒  ×
野妻まゆみ ×
野間美由紀 △「パズルゲームシリーズ」「ジュエリーシリーズ」

<は>
葉鳥ビスコ ◎「桜蘭高校ホスト部」GWの直系でしょう!おもろい。
原なおこ  ×
ひかわきょうこ △
樋口橘   △
日高万里  ◎(秋吉家シリーズ)茅田砂胡の「桐原家」に負けず劣らず
樋野まつり ○「ヴァンパイア騎士
平井摩利  △
日渡早紀  ◎「ボクを包む月の光」ぼくタマを読んでた時期が懐かしいです
福山リョウコ ×
藤崎真緒  △
藤田貴美  ×
ふじもとゆうき △
星崎真紀  ×
星野架名  △

<ま>
牧あけみ  ×
松川祐里子 ×
松下容子  ○「闇の末裔
マツモトトモ ×
魔夜峰央  ○「パタリロ」半分も読んでいませんが・・・
美内すずえ ○「ガラスの仮面
水野十子  ◎「遙かなる時空の中で」まだゲームには手を出していませんw
緑川ゆき  ◎「緋色の椅子」幼馴染に会いにいく少女が可愛い
三原順   △
武藤啓   ◎「愛は地球を救う」は買った
めるへんめーかー △
望月花梨  ×
本橋馨子  ×
森生まさみ △
森川久美  ×
森次矢尋  ×
杜野亜希  ×
杜真琴   ◎「ハイスクール・オーラバスター」小説とあわせてハマッたなぁ

<や>
谷地恵美子 △
柳原望   ◎「一清&千沙姫シリーズ」ヒロインは、「ふえ」です!
山内直美  ◎「ざ・ちぇんじ!」あれとくっついたのは納得出来ぬ
山岸凉子  △
山口美由紀 △
やまざき貴子 ○「っポイ!
山下友美  ×
山田南平  ◎「オトナになる方法」ショタなんですが、立派にいっちょまえでした。
山中音和  △
由貴香織里 ◎「伯爵カインシリーズ」ZABADAK好き
吉村菜由  ×
米沢りか  ○「無敵のヴィーナス」

<ら>
羅川真里茂 ◎「赤ちゃんと僕」あの最終巻は反則です
六本木綾  △

<わ>
わかつきめぐみ ◎「So What?」高校の卒業祝に、古本屋の店員さんが全巻くれましたw
和田慎二  ○「ピグマリオ
渡辺祥智  ◎「銀の勇者」良いですよ〜。

 
思ってたより、「×」が多いなぁ。(105人中/◎27:○17:△30:×31)
自分も精進が足りないみたいですね(^^;。
 

追記

思うところもある*4ので、「男子」ではなく「紳士」。
「白泉紳士」は、どうでしょう?
と、言っておきます。
 

*1:うちでは「腐」の字を当てませんw

*2:ここはグリーンウッド

*3:左上:明智抄・左下:わかつきめぐみ|右:杉山志保子

*4:絶対に、「白泉男子」の平均年齢は高いと思うw

シャギードッグ(2)

シャギードッグII 人形の鎮魂歌?defeated? (GA文庫)*1
副題:人形の鎮魂歌~defeated~
作者:七尾あきら
挿絵:宮城
 

印象

  • まりんは良いコなんですが、いまいち共感しづらいですな

 

  • 大介がレギオスのレイフォンとダブります
    • するとオズがフェリに見えてくるから不思議

ゲドを読む。

これは、糸井重里氏発案のDVD発売キャンペーンらしいのですが、内容が実に興味深かったです。
 
ゲド戦記の愉しみ方』と題された、中沢新一氏による原作の解説に始まり、原作内の名台詞集が続きます。
後を受けるのは、河合隼雄氏による原作の分析。
次が、翻訳者へのインタビュー。
直接映画の内容に踏み込んでいるのは、巻末にある監督へのインタビューのみでした。
 
原作へのリスペクト、もとい原作好きへの配慮がうかがえます。

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トリックスターズ

トリックスターズ (電撃文庫)*1
作者:久住四季
挿絵:甘塩コメコ→イスどんぶり
 

前書き

  • してやられた。最後の詭計にしてやられた*2

 
カバー折返しの”ミステリを模った物語”というフレーズと、出だしで感じた印象があったので、「どんな謎をどのように解明していくのか」が楽しみで読み出しました。
(なので、キャラクターそのものへの注意力は散漫だったかもしれません)
 

感想(どう書いてもネタバレする類の作品っぽいので、ネタバレ注意)

終盤、事件の全容が暴かれていく心地良さを堪能しました。
(ここで終わっていたら、「良く出来た作品」で終わっていたかも・・・)
 
ところが、迎えたラスト。
外に働きかけるメタな感覚と、勝手に抱いていたイメージを根底から覆す詭計にしてやられました!
 
うわ、鳥肌!!
 
即座に読み直し、端々に書かれていたモノと、書かれていなかったモノを確認しましたよ。
「誰が・何故・どのように」の謎解きは勿論のこと、答え合わせまで楽しめて一石二鳥。
どんでん返しで実感し直したキャラの魅力*3も合わせて、一網打尽な面白さがありました*4
 
これは大人買いして正解っぽい♪
(さて次だば)
  

考え事

この作品において、魔術は体系化された学問、実践化された技術の一種です。
誰がどのように発展させてきたか、という史学的な面も重要視されていました。
 
このスタンスを前に、思い出したのは『これ』の中の次の一文。

人類学の知識のない作家が魔術に関して書くと、幻想になってしまいます。
人類学を勉強している人は、魔術師が姿を変えたり、空を飛んだりするわけではないことを知っています。
 
中沢新一/人類学に基づいた魔術に対する考え方-『ゲド戦記の愉しみ方』より:35頁)

 
魔術というミステリにとっての劇薬を用いつつ、なおミステリでありつづける為に必要なものの正体。
これが掴めた気がしたり、しなかったり*5
 
この方』の言葉を借りるなら「本格ミステリ信者さんの解毒剤」としても、オススメ出来る作品と言えるんじゃないかと思います。

*1:電撃文庫

*2:糸色望的に(笑)。

*3:B●KU属性w

*4:思い入れすら持たせて貰えなかった被害者の描き方には少し凹みましたが・・・

*5:もっとも本作においては「姿を変える魔術師」が登場しますが、その難易度は非常に高く、また「変身すること」を明示し、かつ要素として消化しきってますから無問題でしょう