これも俺の思い込みっ♪*1


先日、浅井ラボ藤原京の関係について少し穿った見方をしてみた。
それがこれ


せっかくなので、もうちょっと掘り下げてみる。
『以下、ネタバレ要注意』






骨喰島は、かつて集英社スーパーファンタジー文庫から出版された。
作者は藤原京*2
この作品、実は「邪眼」、「呪願」、「兇刃」、今作、「霊視」と続いたシリーズの一作。
(シリーズの正式名称はなかった)
邪眼 (集英社スーパーファンタジー文庫)*3呪願 (集英社スーパーファンタジー文庫)*4兇刃 (集英社スーパーファンタジー文庫)*5
骨喰島 (集英社スーパーファンタジー文庫)*6霊視 (集英社スーパーファンタジー文庫)*7


内容は、一言でいうとダークファンタジー
それだと訳が分からないので、大雑把にストーリーをまとめてみたのが下。

悪魔が実在する世界。
運良く*8悪魔と契約を結び、力を借り受けた能力者(=主人公、名は長尾)がいる。
この主人公が、同じようにして力を得た能力者が起こす事件に駆出され、解決を図る




なぜ「解決する」ではないのか、というと。
この主人公の能力は、およそ戦闘向きではないから。
が契約した悪魔*9から借り受けた力は「透視系*10」。
能力*11と、持ち前の推理力を駆使し、犯人を特定する事は出来ても、いざ戦闘となると一般人と変わらないためだ。


ここで登場するのが、もう一人の主役
男性で名は「黒沼」。
この黒沼主人公の仕事仲間で「西の魔王」とも冠される強大な悪魔*12を相棒としている。
長尾に、事件の調査を依頼しトラブルに引っ張り込むのは、主にこの黒沼。
能力は「攻撃PK系*13」で、荒事を担当する。


ここで押さえておきたいポイント*14がある。
それは「能力者の力は所詮借り物」であり「悪魔そのものには敵わない」という点。




物語のクライマックス。
この二人の前に悪魔そのものが立ち塞がる。
主人公、長尾の相棒は「大物が来ると、逃げる」ため頼りにならない。
人としては絶大な力を振るう黒沼も、「悪魔そのものには敵わない」。


その絶望的な状況で
超然と到来するのが
黒沼の相棒「ペイモン」!!


骨喰島での登場はこうだ。

風が道をよけて、雨も逃げる。
湿った夜の空気の隙間に、乾いた冷酷な威圧感が、急速に滲み拡がっていく。
すべてが凍りつく。
すべてが破壊しつくされる。
殺戮と破壊の魔神。
絶大な力を誇る超存在。



そして。


いかなる物質も破壊し、すべての物質を原子レベルにまで分解してしまうペイモン。
その恐るべき破壊力は、どんな悪魔の力場だろうとも、難なく一瞬で破砕してしまうだろう。





これを踏まえて、「されど罪人は竜と踊る」での、「重霊子殻獄瞋焔覇*15」の位置付けを見てみる。

…は、現在確認される攻性咒式の中でも最強最悪と呼ばれる咒式の一つである。


咒式の力が吠え猛り、眼前の竜の干渉結界を存在しないかのように破壊しつくし、背後の柱や壁の金属原子を巻き込んで崩壊させていく…



浅井ラボ/されど罪人は竜と踊る:328頁より抜粋)

何となく、ワクワクしてこないかな!?、かな!?


例え思い込みだろうと、過去のお気に入りの光景がフィードバックして、脳内で妄想を膨らませてくれるのは楽しい!
確かめようとして再読すると、漫然と消費するように読む事がないから緊張感を持って読めるし…。
最高の気分転換が出来たよ♪



【蛇足】

↓大元の出典を知りたくなったらオススメ。
悪魔事典 (Truth In Fantasy事典シリーズ)*16
咒式はレメゲトンから結構来てるんだなぁ、とか分かって面白い。
件のヴォラクは「ウォラク」、ペイモンは「パイモン」で記述あります。


後、され竜が好きな人にオススメできるのが森山櫂「果ての塔の物語」。
主役の組み合わせが同じで、楽しめますよ。

*1:長井のこのネタが妙にツボ♪

*2:京と書いて、「たかし」。噂では現在、母校の国語講師だとか…。

*3:発売日:1995/07

*4:発売日:1995/12

*5:発売日:1996/05

*6:発売日:1996/09

*7:発売日:1997/02

*8:或いは運悪く

*9:ヴォラク

*10:曰く、隠されたものをいやらしく見つけ出す力

*11:現場を見れば犯人に力を貸している悪魔を特定出来る

*12:ペイモン

*13:ブレインシェーカーとかハートブレイクショットも可能w

*14:設定?

*15:パー・イー・モーン

*16:発売日:2000/12・レーベル:新紀元社