ゲド戦記

クーラーのない部屋に耐えかねて映画館に避難(笑)。
注目のゲド戦記を見てきました。



叩かれる理由は、良く分かりました


【以下ネタバレ】


あくまでも素人の感覚ですが、「動かない背景*1」「弱さに流されきった表情*2」「唐突で不自然な台詞*3」、そして「原作にない演出」などは、改善の余地ありかと。


けれど「光の表現」については予想以上で驚きました。

  • 鏡のように磨きぬかれた床石
  • 杖に点った灯り
  • 雲の隙間から覗く日差し

この3点に関しては、劇場映画の水準を満たしていたと思います。


そして、もうひとつ期待を上回ってくれたのは「音」について。

  • 真っ先に取り上げたいのは、エンディングで流れたテーマソング「時の歌」。

ゆったりとした吐息の擦過音で歌い上げるような*4「時の歌」は、見終わった後にアルバムを買いそうになるくらい良かったです♪
(作曲は新居昭乃さんとの事、納得)

  • 続いては「声の出演者」の出来について。

一番違和感がなくて「これは有りだな」と思ったのは、敵役のクモを演じた田中裕子さん。
で、二番目に良かったのがヒロイン役の手嶌葵でした。
他者との接触を恐れるキャラクターが持つ硬質さを演じる上で、新人ゆえの緊張感が良い方に働いたように思えました。
もっと上手に演じられる人は居るだろうけど無問題、充分満足です。


この他の点については詳しい言及を避けます。



と思ったけど、最後にもう一人だけ挙げておきたいキャラクターが居るんだった(^^;。
それは、この作品において一番シンプルに行動しストーリーを引っ張り続けた人。



すなわち、人さらいの典型的小悪党「うさぎ」。
まがりなりにもストーリーの体をなしたのは、このキャラのお陰なんじゃないかな(爆)。
(もしこの人が居なかったらと思うと、正直ゾッとします)


【総合評価】
詰め込みすぎて総集編のように見えるし、傷を探せばキリがないけど、

  • 影のアレンは格好良かったし、
  • テルーは可愛かった。

なので、終盤は楽しめました。
劇場で聴くテーマソングは、かなり良かったし個人的には元を取れましたんじゃないかな。


以上。


【追記】
映画を見終わってみると、「あのCMは(作り方が)上手い」の一言(^^;。


【蛇足】
全く関係無いけど…。
本編前のCM、ますむらひろしアタゴオルが非常に面白そうだったよ(笑)。

*1:非デジタル!?。固まってブロック状に動く雲、風が吹いても揺れない植物、動き回っても舞わない砂塵

*2:どこかの人が黒シンジ君と呼んでましたが、言い得て妙

*3:歌は物凄く良い。けど、そこに持っていくまでの流れに難が

*4:日本語微妙w