BLACK BLOOD BROTHERS S(3)

BLACK BLOOD BROTHERS〈S3〉ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集 (富士見ファンタジア文庫)*1
作者:あざの耕平
挿絵:草河遊也
  
ドラマガ連載の6話に書き下ろし中篇を加えた短編集。
本編比だと、120%は増してるユルさが魅力的です。
わくわくしながら読みました。

第一話 強い吸血鬼の育て方

こんなハズじゃなかったのに・・・(合掌w)。
子供の憧れを真に受けて、良かれと思ってする無茶の無茶苦茶振りが最高!
 
今日見たドラマの「好きで始めたピアノが嫌いになるまでの構図」と微妙に被ってきて目頭熱くなるは、腹が痛くなるはで・・・。
せっかく得た教訓が即座に無駄になるオチも、想像するとかなりシュールですw。
 

第二話 宝くじ狂想曲

喜びは分かち合いましょーな感じ。
「隙在らばではなく、隙は作り出してなんぼ」の面々が、真実を知った時に見せた動揺とフォローが微笑ましいです。
暖かいですよ。
  

第三話 力と誇り

特区での主流でありながら、描写は少なめのウォーロック家の血族が登場。
しかも、若い!
これまで出てきたのは、長老とかカーサとか大物ばっかり。
なので、こういった血統の繁栄振りを示す生きの良い若いのが出てくると面白いです。
彼と対比する形になると、ケインの漢っぷりが際立ちますな。 
 

第四話 自由と虚ろ

800年の孤独。

・・・・・・オレを退屈させるな
(153頁:ゼルマン)

の台詞が重いです・・・。
 

第五話 ある吸血鬼の僕

こんな日もあったね・・・。
本編に戻った時、そんな風に懐かしむ事があるんじゃないかと。
 

第六話 いつか来る、その日のために

コメディ一色かと思ったら、・・・ここで来ますか。
油断してた分だけ、グッと来ます。
 

失墜の摩天楼

書き下ろし中篇は、今より若いジローの話。
この短編集の第三話が枕詞というか、呼び水になってイメージが膨らんだかのような作品。
(ま、当然の事ながら実際のトコロは定かではありゃしませんが(^^;。)
  
側に居るのに遠くなっていく感覚って、どんなものなんでしょーね。
ちょっと感傷的になりますな。
 

蛇足

枕詞、掛詞で検索して面白かったのがこれ
このまんま、古文の授業に使えそうな感じがします(笑)。