バッテリー

http://shearline.g.hatena.ne.jp/files/shearline/8db42d1aa5e57028.flv
【主題歌:春の風/熊木杏里

・CM(15秒)→http://www.youtube.com/watch?v=0a8ikYJMAk0
・CM(30秒)→http://www.youtube.com/watch?v=TT98GA06fdw
・インタビュー(5分07秒)→http://www.youtube.com/watch?v=-iivP0Vy_os

 
テレビCMで公開を知り、慌てて見てきました。
舞台挨拶のことはスッカリ忘れてましたが、有楽町あたりであったとか。
今年の春公開と覚えてましたが、3月ってもう春なんですよね(^^;。
(季節感の無い生活をおくっていて完璧に忘れてました)
 
ネットでの感想を見て、原作は5巻まで購入したものの映画化を知っていたので積んでた作品でもあります。
天と地と」とか「ネバーエンディングトーリー第2章」など、「原作のち映画」の流れで体験して、先入観が邪魔した記憶が甦ってたりもしたのですが・・・。
  

感想

先生、
ボクに、
ハンカチを下さい(T^T)/。
 
物語は、体の弱い弟のために母方の田舎に引っ越すところから始まります。
季節は春。
 
柔らかい青空と、
けむるような山の緑、
谷間を流れる川沿いの家々の凸凹ぐあい、
山肌の集落の佇まいとかが、
ホームビデオで撮ったような鮮やか過ぎない色彩で、目に飛び込んできます。
小学校の道徳の教材のような、どこか懐かしい光景です。
 
そんな郷愁を誘う舞台で、
「野球って何?」
「野球ってだれのもの?」
「家族って?」
様々な問いかけと、数々の答えを探しながら進むストーリーが胸を打ちます。
 
主人公のタクミにとって、野球は言葉でした。
だから投げたボールを受け止めてくれたゴウとの間に交わす声は要らねーのです。

これと好対照なのが、はなっから野球を拒絶する母親との関係。
お互いに不満を抱えていて、ギクシャクとしています。
体の弱い弟が心配でたまらない母から見ると、癇が強く奔放な兄の姿は、それだけで嫉妬心を煽る存在なんですな。
これで巧くいく訳がありません。
 
けれど、「ある出来事」をきっかけにこの家族が変わります。
中心になったのは、それまで存在感を示してこなかった父親、でした。
余裕の無さから湧き上がる妻の長男へ向ける悪意に満ちた言葉を、ギリギリのところで押しとどめる姿の頼もしさったらなかったです。
 
その先を言わせちゃならねー。
 
そんな切羽詰まった状況だったにも関わらず、諄々と妻を宥める姿に惚れちゃいそーでした。
誰よりも(親である自分たちよりも)タクミを知る祖父が漏らした言葉は「タクミの野球は孤独」の語。
けれど、この時父親の彼は「それは違う」と否定します。
彼の見たタクミにとっての野球は「もっと別の何か」だと、それを「妻である君にも分かって欲しい」と説得するのです。
 
泣けたっ! 
 
そして。それに拍車を掛けるのが、弟の台詞。
 
音だけで伝わるモノ。
意図無くしても伝わるコトの奇跡です。
 
ラストシーン。
格好悪い母親の姿と、全ての重圧から開放されたタクミの姿。
この場面、思わず頬が緩みます。
 
だから多分きっと
もう一度見に行くと思います。



席が交代制じゃないところへ(笑)。

 

蛇足

・ストレートが恐かったですw
・浅野先生って、原作者のあさのあつこさんご本人だったんですね(って、ドノ辺りで登場してたんかな?・・・校門かな?)
・憎たらしさとか、情けなさとか、脇役の好演が光ってました
・一番上のPV、1分45秒あたりから映画本編の映像が使われてます(ラストフレーズの深さにチト感動)
・最後:繭の可愛らしさったらなかったです