オペラ・ラビリント

オペラ・ラビリント―光と滅びの迷宮 (角川ビーンズ文庫)*1
副題:光と滅びの迷宮
作者:栗原ちひろ栗原移動遊園
挿絵:THORES柴本→[交錯成層圏]
 
作者曰く、

基本的にギャクありトンデモありだけれど衣装と舞台美術は華麗、という芸風の冒険ロマン風ライト・ファンタジーです。
(あとがきより)

とのこと。
 

  1. オペラ・エテルニタ 世界は永遠を歌う (角川ビーンズ文庫)
  2. オペラ・カンタンテ 静寂の歌い手 (角川ビーンズ文庫)
  3. オペラ・フィオーレ 花よ荒野に咲け (角川ビーンズ文庫)
  4. オペラ・エリーゾ 暗き楽園の設計者 (角川ビーンズ文庫)

と、つながるシリーズの第5作目で、今回の帯の推薦文は津守時生さんでした。
好きな作家さんが推してると分かると、ちょっと嬉しくなりますね。
(もっとも。このシリーズを読み始めたきっかけは「こちらの感想」です)
 

内容

カナギたちは、囚われの身となった詩人を奪還するため、帝都へと乗り込んだ!
そんな彼らを待ち受ける過酷な運命とは――
(折込:BEANSステーション2007.4月号より)
 

感想

ああ・・・・・・かわいい!
かわいい、かわいい!
どうすればこの歳まで、このようにかわいらしく育つのじゃ?
我が最愛の妹でなくば、きゅっとつぶしてしまうところじゃ!
(127頁)

上に挙げたのは、生き別れの妹に出会うなり抱きしめて、ぐりぐりと愛で始めた姉が言い放った台詞。
若干物騒な気がしないではないですが、物凄く良いシーンでした。
 
(あとがきで作者自身も触れていますが)
今回の作品はこれまでと比べて、圧倒的に感情表現が豊かである種生々しいです。

  • クールで知的だった人物が、任務と私情の狭間で震えてたり、
  • 飄々として余裕を失わなかった人物が、「叩き潰してやる」と力強く言い放ったりしてます。

「らしくねー」とか「似合わねー」とか言ってる場合じゃなくなってきました。
そろそろ佳境なんでしょう。
 
より鮮やかさを増したシリーズだけに、続きが本当に楽しみです。