深夜の寝言

どんなに好きなモノでも食べ続けると飽きがきて、見るのも嫌になる事がある。
同様に好きな作品だけ読んでいると精神面が安定しすぎて、受ける感動が薄くなる事があるのかもしれない。
 
題名は出さないけれど、最近読んだとある本。*1
その感想が至るところでぞくぞくと上がってきたのだが、これがすこぶる評判が良く。
対して自分はと言うと。
「綺麗だな」とは思ったものの、感動までは・・・。という具合。
 
この状況は芳しくない。
というより一段上。由々しき事態。
自分にはその楽しさが分からなかったのか!
そう思うと非常に悔しい。
 

その理由

わりと必死に考えてみて、気付いたのは「最近は読んで後悔した作品」に触れていないこと。
どんな作品でも許容出来る状況は、感性の鈍磨と紙一重で、本読みとして致命的なんじゃないかと思う。
読んだ感想を書くための情熱とか衝動は多分に攻撃的なもので、その源泉の一つは間違いなく不快感。
過剰となるのは要自戒だが、全くのゼロでは話にならない。
 
ここのトコロ、幸せで甘い話を過剰摂取した自覚がある。
身体がその甘さに慣れすぎた気もする。
好きな作品に次々と転び続けるのは本懐だけれど、このままでは糖尿で倒れてしまうよ。
 
だから今は、生理的に受け付けない作品が欲しい。
嫌悪感でも良いから、震えるような衝動が沸いてこないかと思う。
 
我侭だけれど。不愉快になりたいと強く願う。

*1:禁書目録じゃないです