狐とアトリ
狐とアトリ―武田日向短編集 (角川コミックス ドラゴンJr. 111-1)*1
作者:武田日向
という訳で、GOSICKの挿絵にてお馴染みの武田日向さんの短編集。
表題作含めて3作品を収録。
それぞれに番外編も用意されていて、お値打ちモノの一冊です。
これだけまとまった数の絵を拝むのは、挿絵だとまず無理なので、出版されたこと自体が素直に嬉しいです。
以下、感想は表題作から。
感想
タイトル:狐とアトリ
人里離れた山奥にひっそりと佇む御社*2を舞台に、最愛の姉と二人で暮らす姫巫女・アトリの一期一会が描かれます
盲目的に姉を慕う、勝気で真っ直ぐなアトリが可愛いのなんの。
少し時代がかった言葉使いも、その可愛らしさに拍車をかけます。
例)
- はあ・・・ 姉上の帰り遅いのう・・・
- 嘘は大嫌いじゃ!
- お供いたしとう存じます
うは、かわゆや!
小さな姫の「〜じゃ」って語尾は、「マハラジャ (ニュータイプ100%コミックス)」のまはらの頃から好きです。
(強く刷り込まれちゃってるんで矯正は不可ですw)
また。
最初読んだときは気づきませんでしたが、少し冷静になって読み返した時にびっくりしたのは、アトリがわざと怪我してまで、注意をひきたがった最愛の姉の名前が、実は出てこない点。
最初から最後まで、「姉上」で通してしまってます。
世界でたった一人しかいない「姉上」だから。
「姉上」といえば一人しか居ないから。
「姉上」と呼びかけるだけで良い。
そんな気がして、あったかい気持ちになったです*3。
小咄めいた番外編も、ほのぼのと幸せな感じ。
本当に良いおなはしでした。
独り言
後藤星さんの「Others (ピチコミックスPockeシリーズ)」と対になりそうな一冊。
にしてもだ、この作品に書影が用意されてないなんて怠慢としか。
蛇足
嘘つきなお姉さん