付喪堂骨董店(2)

付喪堂骨董店〈2〉―“不思議”取り扱います (電撃文庫)*1
作者:御堂彰彦
挿絵:タケシマサトシ
 

内容

『アンティーク』と呼ばれる不思議な力を宿らせた呪物。
それがもたらす奇妙な事件を描いた作品。
今巻は、「静寂」「自分」「死目」「化粧」の4話を収録。
 

感想

静寂
  • 登場アンティーク:明鏡*2
    • 特徴及び形態:映した世界の音を消し去ってしまう鏡

精神的に来るものがあります。
結末が逆なら自業自得だろ、と思えたんですが・・・。
何が悪かったのか分からなくなって、憤りをぶつける場所が無い分、やり切れませぬ。
痛いなぁ、本当。

自分
  • マスカレード
    • 被せると人形がもう一人の自分になる仮面

 
人が何を見て、他人を認識しているかを描いた話。
157頁、刻也のある台詞に対して、即座に被せた咲の切返しが良いです。
巧いなぁ。

死目

コリン・ウィルソン的な小編*3
まぁあれだ、自分の目に自分は映らない罠。
 

化粧

ヒロイン「咲」の視点で進むお話。
この作品のメインディッシュ、かつデザート(笑)。
 
駄目だー、最初から最後までニヤニヤし通しです。
この初々しさは反則です、白旗(_ _)/~。
イラストもスゲー。
あの目で見られたら絶対に凍る、つか木彫りの熊が石化した実物に見えたしw
なんつー迫力なんだw
 
折り込まれた口絵も破壊力抜群なので、そこだけでも一見の価値が♪
 

*1:電撃文庫

*2:ドモン・カッシュでお馴染みの、あのフレーズからに違いない

*3:「闇を見るとき闇もまた君を見ている」とか、「怪物を覗くものは自らも怪物に」な感じ。