ヤクザガール・ミサイルハート
*1
作者:元長柾木
挿絵:緒方剛志
舞台は、もう一つの「広島市」
44年前に落ちる事を止めた「破壊兵器」が浮かぶ都市。
「異境」の力で混沌を極めた世界。
その街で、
苛々するほど真直ぐな少年と、曲がる事を知らなかった少女が出会って・・・。
【感想】
排他的な少女の方に何時の間にやらイレこんでいたらしく、彼女が振りまく災禍への嫌悪感は全く感じませんでした。
むしろ。
何故付きまとうのか理解し難い少年に対して、敵対的な感情まで覚える始末。
作中、少年が邪険にされればされるほどサディステックな快感が・・・(マテ;)。
雲行きが怪しくなるのは中盤。
本能に突き動かされていただけの少年が、「なすべきこと」だと自らの意思で道を選んでから。
男が一度やると決めたことに較べたら――別に女でもいいけど――全然どうってことないよね。
ええ
どうでもいいです。
(中谷とアドルファス:190頁)
これ以降、妙に自信たっぷりで可愛げの欠片もありゃしない(爆)。
その分は少女が叩いてくれるだろうと思っていたら、ん!?
・
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この身を、一時お前に預ける
(321頁)
なんじゃーこりゃー!
一時にせよ、目的地を見失って戸惑う姿が可愛いのなんの。
その直後の展開は迂闊、の一語なんですが微笑ましい幕引きです♪
ただ。
その裏で意味有りげな動きを見せる黒幕も一人や二人じゃなさそうで、今後も平穏無事からは縁遠そうですね。
(とりあえず感想を書き終えた今でも)
少年のおせっかいさは気に入らないのですが、物語自体が持つ清々しいほど「暴力的な魅力*2」から較べたら、些事も些事。
早いトコ続きが出ないかなぁ。
【蛇足】
- 薬が怪しすぎますw
- 求む、正しいミサイル像
- 「因果律に干渉」=「メタテキストの改変」って事で宜しい?