箱の中の天国と地獄
作者:矢野龍王
挿絵:得能正太郎(→VISION)
本編はこれから。その前に宿題を片付けようかと。
宿題といってもこの本の作者からのもので、モノは次のふくめん算(笑)。
0から9の数字が、平仮名に置き換わったパズルゲームの一種です。
(感想→こちら)
問題
て | ん | ご | く | と | て | ||
+ | じ | ご | く | と | て | ||
― | ― | ― | ― | ― | ― | ― | ― |
と | こ | と | ん | あ | け | る |
んでは、やってみます。
一目で分かるのは、次の3つ。
- と=1
- て=9
- こ=0
て | ん | ご | く | と | て | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
+ | じ | ご | く | と | て | ||
― | ― | ― | ― | ― | ― | ― | ― |
と | こ | と | ん | あ | け | る |
確定した3つを対応表で整理します
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
こ | と | て |
---|
ここで判明した数字を代入し、問題を整理すると次のように
9 | ん | ご | く | 1 | 9 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
+ | じ | ご | く | 1 | 9 | ||
― | ― | ― | ― | ― | ― | ― | ― |
1 | 0 | 1 | ん | あ | け | る |
下2桁が数字に置き換わったので単純に計算
↓
9 | ん | ご | く | 1 | 9 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
+ | じ | ご | く | 1 | 9 | ||
― | ― | ― | ― | ― | ― | ― | ― |
1 | 0 | 1 | ん | あ | 3 | 8 |
- け=3
- る=8
- また、百の位への繰り上がりはありません
表は次のように変化します
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
こ | と | け | る | て |
---|
ここまでの結果を受けると、問題の下2桁に絡む要素は全て明らかです
- 分かりやすくする為に、下2桁を省いてみます
- 同様に、10万の位も省く事が可能なので消してみます
ん | ご | く | |||||
+ | じ | ご | く | ||||
― | ― | ― | ― | ― | ― | ― | ― |
1 | 1 | ん | あ |
ここまでは、仮定無しで導き出せました
次から少し勝手が変わります
注目するのは、「ん+じ」と「く+く」です
「ん+じ=10」とした場合・・・仮定A
ん+じ=10と仮定(下の桁からの繰り上がりを想定)
→残った数字から、選択できるのは「4」と「6」
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
こ | と | け | A | A | る | て |
---|
- 「く+く=あ」を満たす数字が消滅
- 2+2=4
- 5+5=10
- 7+7=14
→仮定AはNG
よって「ん+じ=11」である
これを満たす組み合わせ
- 4と7
- 5と6
- かつ、次の式を満たす必要がある
ん ご く + じ ご く ― ― ― ― ― ― ― ― 1 1 ん あ ポイント1:「ご+ご」又は「ご+ご+1」は、繰り上がらない
- 繰り上がると「ん+じ=11」ではなくなる為
- 要は次の算式を満たせば良い
ご く + ご く ― ― ― ― ― ― ― ― ん あ
「く+く=あ」を考える
残った数字(下図参照)で「く+く=あ」を満たすのは、次の3つ
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
こ | と | け | る | て |
- く=2の場合→あ=4
- く=6の場合→あ=2
- く=7の場合→あ=4
それぞれ検証してみます
く=2の場合・・・仮定B
ご | く | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
+ | ご | く | |||||
― | ― | ― | ― | ― | ― | ― | ― |
ん | あ |
- く=2と仮定
- あ=4
- 繰り上がり無
- 「ご+ご=ん」を満たす必要が出る
算式と表は次のように変化
・算式
ご 2 + ご 2 ― ― ― ― ― ― ― ― ん 4
・対応表
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 こ と く け あ る て
残った数字に、「ご+ご=ん」を満たす組み合わせはない
→よって、仮定BはNG
く=6の場合・・・仮定C
ご | く | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
+ | ご | く | |||||
― | ― | ― | ― | ― | ― | ― | ― |
ん | あ |
- く=6と仮定
- あ=2
- 繰り上がり有
- 「ご+ご+1=ん」を満たす必要が出る
算式と表は次のように変化
・算式
ご 6 + ご 6 ― ― ― ― ― ― ― ― ん 2
・対応表
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 こ と あ け く る て
残った数字で、「ご+ご+1=ん」を満たすのは、ご=7の場合
- 7+7+1=15(ん=5)
- しかし、繰り上がりが出る
- ポイント1*1によって、この繰り上がりは否定されている
- しかし、繰り上がりが出る
→よって、仮定CはNG
く=7の場合・・・仮定D
ご | く | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
+ | ご | く | |||||
― | ― | ― | ― | ― | ― | ― | ― |
ん | あ |
- く=7と仮定
- あ=4
- 繰り上がり有
- 「ご+ご+1=ん」を満たす必要が出る
算式と表は次のように変化
・算式
ご 7 + ご 7 ― ― ― ― ― ― ― ― ん 4
・対応表
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 こ と け あ く る て
残った数字で、「ご+ご+1=ん」を満たすのは、ご=2の場合
- 2+2+1=ん=5
- 繰り上がりが出ない
- ポイント1*2をクリア
- 繰り上がりが出ない
→よって、仮定DはOK
表は次の通り
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
と | ご | け | あ | ん | く | る | て | こ |
→残る数字は「6」、文字は「じ」
式に当てはめて確認してみます
9 5 2 7 1 9 + じ 2 7 1 9 ― ― ― ― ― ― ― ― 1 0 1 5 4 3 8
↓
9 5 2 7 1 9 + 6 2 7 1 9 ― ― ― ― ― ― ― ― 1 0 1 5 4 3 8
↑
て ん ご く と て + じ ご く と て ― ― ― ― ― ― ― ― と こ と ん あ け る
・対応表
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 こ と ご け あ ん じ く る て
以上、自己満足でした(笑)。
にしても、パズル作れる人ってどういう頭してるんでしょう?
ニコリとか凄いと思うなぁ・・・。
【追記:2006/10/14】
と思ったら、実際ニコリに問題提供してるんですね。
驚いた。
→記事:パズル通信ニコリ116号(矢野龍王の「ブログ★コロシアム」)