天王船

天王船 (中公文庫)*1
作者:宇月原晴明
  
カテゴリを分類するのが、難しい作品(^^;。
歴史小説と言えば間違いないんですが、伝奇要素もラノベ的性格も持ってます。
多分、日本ファンタジーノベル大賞山本周五郎賞とを受賞している作者だからこそ、なんでしょーね。
これは、そんな作者の初の短編集、だそうです。
 

隠岐

ペルシア渡来の暗殺術を受け継ぐ兄弟弟子を描いた作品。
BLACK BLOOD BROTHERSの読者なら、ニヤリとするんじゃないかと*2(笑)。

 

「兄者!」

作中、この台詞をはいた御仁に作者は御執心の様子。
目の付け所が面白いです!
  

天王船

若き日の信長の前に現れた見慣れぬ船。
躊躇うことなく、それに乗り込む信長。
異形の面を身につけた信長が、船の主である貴人と舞います。

「都の風流、忘れぬぞ!」
(64頁:信長)

 

神器導く

毛利攻め。
小早川隆景と和平交渉中の秀吉に、信長討ち死の報が届きます。
対して隆景には、明智光秀から同様の知らせと協力要請、そして一対の神器が・・・。
父、元就の「天下を望むな」という遺訓と、覇権を握る好機の到来の狭間とでゆれる隆景。
果たして、その決断は・・・。
  

波山の街――『東方見聞録』異聞

隠岐黒」へとつながる物語。
主役はマルコ・ポーロ
聖遺の天使とか、カンタレラとか、禁書目録の11巻とか読んでると、楽しみが増えますね!
フビライの大物っぷりが際立ってます。
 
最近、歴史小説が熱いとは聞いてますが、こういうのを読むと素直に「そうかも」と思えます。
 

*1:レーベル:中公文庫・発売日:2006/11/25

*2:老g(ry