薔薇のマリア(6)
*1
副題:Ⅵ.BLOODRED SINGROOVE
作者:十文字青
挿絵:BUNBUN
【蛇足的内容】
シンデンガー!
イヌ?、・・・の下僕、death。
禍那死・・・。
【感想】
仲間でありながら表舞台に立つ機会がさほど無く、
その実態がいまいち見えてこなかったメンバーの髭・・・ことトワイニング。
新章のはじまりとなった前巻・及び今作で、謎に満ちたトワイニングの生態が徐々に明らかになってきましたね。
- 現在の舞台となっているジュードリはオストロス神殿の僧であった事
- その神殿の不殺の掟を破り破門された事
- が、今でも神殿への敬愛を持ち続けていた事
故に。
その信仰の対象が永遠に失われたと知った時の取り乱しようは酷く、ある種道化じみて見える程です。
けれど・・・。
真価はここからw。
不謹慎とも思える仲間の励ましを受けてからの立ち直りっぷりと言ったら、こりゃぁ。
・
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デタラメだってばよw。
もーね。
頭の中に「マスターアジアン」とか微妙なフレーズが沸いてくる位、デタラメw*2。
そして。
髭に限らず。
存在自体が綺麗な人や、異常なまでに不遜な御方や、犯罪的なまでに鈍い人とかもそう。
章が変わるたびコロコロと視点が切り変わる中、その魅力を見せ付けてくれます。
狼をイヌと言っちゃう感性とか、
思わず大城・至を想起させる造形とか、
頑張ってる娘に気づいてない罪なトコとか。
こんなに煌めいてて良いのかな?
と、不安になるくらい・・・。
最終的には。
十文字青さんは、ラストまで手を抜かないって事を改めて実感しました(参照→薔薇のマリア(2)の感想)。
文字のボリュームもそうですが、シリーズの中でも特に重い一冊なんじゃないかと思います。
「一人やないっちゅうことは、そういうことやろ。明るく、楽しくな。
くだらんことでも笑て話せる相手がおるっちゅうことや。
なんや面倒があったときもな、ようするに、明日、またみんなで笑うために頑張るのとちゃうか。
あとのことは、オマケみたいなもんやねん。
あくまで、わしにゆわせれば、やけどな」
(211頁/カタリ:一人で責任を背負い込もうとするマリアに対して)