僕たちは歩かない
作者:古川日出男
はじめに
「何故歩かないのか」は、本編を読んでのお楽しみ。
ひとつ云えるのは、人間が成長するためには疑問を持つって事が大事って事だけ。
一番空気が近いのは、知る限りでは「ノーライフキング」かな。
感想
読了直後。
この本が伝えたかったか、考えるも分からず。
そんな中、思ってたのは次のよーな事。
- 大の大人が何やってんの、子供じゃあるまいし
ここでチョッと引っかかりました。
- はて。子供?
、と。
この作品に登場するのは料理の専門学校を卒業した料理人の卵たち。
彼らの年齢を5才、いや10才若くしてみたら物語の印象はどーなるんだろう?
(脳内置換中)
大冒険じゃねーか!(←これが自分なりの解釈の糸口)
主人公が青年層だと、ちょっと不思議なだけとしか思えないエピソード。
ですが、彼らを小さな子供として物語を捉え直すと、イメージがガラリと変わります。
※イメージが似てると思ったノーライフキングとの比較もやってみます
- 「僕たちは歩かない」
- 「ノーライフキング」
です。
- 存在しないはずの時間。
- 「存在しないはずのバージョン」
- そこへ至る道筋を探す過程。
- 「ネットワークを駆使してクリアする方法を探す過程」
そして。
- その異世界でひたむきに一つの事(この場合は料理)に熱中し、他者との関わりを深めていく行動。
- 「自分を極限まで細分化して自己を再確認していく行動」
子供が主人公だとしたら、これは立派にファンタジーです。
ですが、出てくるのは青年。
ゆえに読み手として想定しているのは、成人が一番手。
だから思います。
要はコレ、若者に向けた「童話」なんじゃあるまいかと。
ページ数が少なく、読みやすく、間口が広いのは「童話」として書かれているからじゃないかと。
(ラストを次へと踏み出す前向きなフレーズで〆てるのも同様の理由)
そんな印象を持った一冊。
最後に
読んで楽しかったかと問われたら「正直分からない」としか答えられません。
それが結構くやしいし、残念です。