鬼切り夜鳥子(2)

鬼切り夜鳥子2 京都ミステリーツアー (ファミ通文庫)
副題:京都ミステリーツアー
作者:桝田省冶
挿絵:佐嶋真実
 
表紙が、くらくらするほど艶っぽいです。
流麗な黒髪とか、涙ぐんでるように見える目尻とか。
一目惚れに近い状態でレジへ持って行きました。
 

感想

アーヴの言葉を借りるとしたら、途轍もなく「オーニュ」なカップルですよ!(参照→アーヴ語辞典
微笑ましいを通り越して、笑み崩れを引き起こすほどの仲の良さw。
それが言葉として表に出るのなら、傍目八目。
他人事として冷静に捉えることが出来るのですが、この作品は違います。
 
「そばに居るだけで幸せ♪」って想いは、徹底的に心理状態を描写する事で表現されるンです。
台詞になればヒトゴトでも、感情だけを示されたらヒメゴトです。
比べれば遥かに淫靡です。
しかもっ。
読者である自分は主人公らに共感しちゃってるから、気分的にはヒトゴトじゃねーのです。



結果。
激しくアテられまいた。
(より正確には小躍りしたくなるような多幸感を外に出す事が出来ず身悶え・・・)
 
特に次の箇所は反則だと思たw。

久遠の背中は、大きいばかりでなく温かく、駒子の好きな匂いでいっぱいだった。
いとおしかった。油性のペンで”駒子のもの”と書きたいくらいだ。
(244頁)

読んでて仰け反ったですw。
 
KOKUBOさん始め、コンコンコーン(223頁)など、知ってる人にはより楽しい小ネタも散りばめられているのですが、それを抜きにしても楽しいです。
敵さんの用いる手段に若干陰惨な面はあるけれど、鬼が出るなら仕方がないんじゃなかろーかと。
それも含めて、作者の個性なんだとも思いますし、この雰囲気は大好きですから。
 
兎にも角にも。
続きが待ち遠しいので、まずは「あとがき」にあった「ハルカ」を探そうと思います。