タビと道づれ(1)

タビと道づれ 1 (BLADE COMICS)*1
作者:たなかのか
 
あちらこちらで、コミケの当落通知の話題が出ていて、「あぁ夏の前日がやってきたなぁ」と思っています。
今日読んだこれも、とある夏の作品でした。
 

内容

はじまりを告げる列車。
やって来たのは一人の少女。
知る者はたった一人の見慣れぬ地のはずが、警官が出迎え、少年が歓迎する。
戸惑う少女に彼らは問う。

どうやって入ってこれた・・・!?

 
ここは”緒道*2”。
海と坂と路地の街、そして。
同じ夏の一日を飽きることなく繰り返し、全ての路地が悪意を持って行く手を阻む、閉じた街。
この異変に気づき、街からの脱出を図る彼らにとって、少女の存在は閉じた世界に走った亀裂そのもの。
少年は言った。

お前、今から救世主になって 俺をこのふざけた世界から救い出せ!

 
すれ違う目的と願い。
迎えた孤独のなか、初めて向き合う心を閉ざした自分自身。
そして知る、街に秘められた謎。
青春迷走リリカルファンタジードラマ、ここに開幕。
 

感想

なんか好き。



では、あまりにもなので。

  • 造形で言えば、少女・タビの眉が良いです
    • どことなくカペルテータ*3を彷彿とさせます
  • 内容で言うなら、物怖じしがちなタビと、強引な少年・ユキタの間にある距離の縮まり方が微笑ましいです
    • 「どこからが友達?」と聞かれて”あー”答える人種は”そー”は居ませんてw
  • 実は、脱出するにさほど興味はなく、”平和な”町並みを眺める事を、楽しんですらいる警官・ニシムラさんのキャラも面白いです
    • 「終わらない夏じゃなくて良かった」これは大物ですw

 
強烈なインパクトはないけれど、じわじわと染みてくる良さがあって、彼女らの姿をずっと見ていたいと思わせてくれる作品。
やっぱり、なんか好きです。

*1:BLADE COMICS

*2:おのみち

*3:ストレイト・ジャケット

ライトノベルを名前で買う日々

自分は結構、中の人ネタが好きです。
この人はどんな基準で本を選んで、どんな風に感じたのか、それが知りたくてブログをチェックしています。
で。今日、目にしたのが下の記事。

ライトノベルの「作家買い」詳細解説と個人的な事例とか「イラスト買い」とか
「平和の温故知新」さん

面白そうなので、少し乗っかってみます〜。
 

名前で得をする人と損する人

最近、大相撲を見ていて感じるのですが、妙に座りの悪い四股名・微妙な語感の力士が居てますね。
慣れれば違和感がないとは言うものの、一度変だと思ったら、そう簡単に慣れるもんじゃありませぬ。
 
例えば朝青龍
これは青を「しょう」と読ませますが、日頃余り使わない読みであり、どことなくレアな感じがします。
横綱という地位の持つ重みと、四股名のもつ希少感があいまって、良いイメージを持たせてくれます。
これは得な部類です。
 
対して損をしてると思う力士が、「栃煌山」関。
春日野部屋なので「栃」が付くのは分かるのですが「煌」の一文字だけが妙に浮いた印象を受けます。
あまりにも眩しすぎると言うか・・・。
これに続くのがどっしりとし、かつシンプルな「山」の一字なので尚更です。
「栃煌」くらいで止めておいた方が、スッキリしてて良かったんじゃないか、そう思ってしまう四股名です。
番付で目にするたび、違和感を覚えて仕方がありません。
 
同じ事が作家のペンネームにも言えるんじゃないかと。
内容に触れる前から「ちょっと・・・」と、敬遠されたら勿体無いと思うのです。
 
自分にとって、その典型がコバルトの「足塚鰯」さん。
「鯨」や「鮎」なら良く目にするし、変なカラーは感じないけれど、「鰯」は・・・微妙。
文章は結構読みやすくて好印象なんですが・・・うーむ。
 
何が言いたいかというと。
作家買い・イラスト買いは勿論、「ペンネーム(の印象)買い」してる人間も居ますよ、というお話でした。
では、そろそろ本題へ。

作家買いしてる人

作家名 理由 一言
三雲岳斗 キャラクターが好き ランブルフィッシュが完結したころ、レベリオンの人だとようやく気づいたり。そこからは「聖遺の天使」やら、好みじゃないと言いつつアスラクラインも購入
川上稔 突っ走っちゃってる感じが好き 連射王も熱かったし、シナリオ担当したゲーム「12」は今でもやってますね
津守時生(多戸雅之) 圧倒的な男性キャラの魅力 人懐っこい登場人物が良いです。やさ竜は異種だからBLじゃないと強弁してみます
茅田砂胡 ウォルと桐原猛にゃ惚れました 大陸書房作品は、書籍を蒐集する楽しさを教えてくれましたよ(違)
金蓮花 透き通った綺麗な文章が好き 舞姫、水の都、砂漠の花。立て続けに泣かされました

 
あとは作家買いしたい人*1として、「浅井ラボ」「藤原京」あたりがランクインでしょうか。
 

イラスト買いしてる人

絵師名 理由 一言
珠黎こうゆ 豪奢で美麗 ゆうきりんの「薔薇」を買ったのは、間違いなくこの人の描くロザリオンに惚れたから。絵のイメージとは違って、バリバリのBL作品を担当される事は多くないのもポイントかと
藤城陽 くっきりとした絵が好き ストレイトジャケットが好きだったところに、藤原京と組んだ「陰陽師は〜」でとどめを。冬の巨人はどちらかと言えばイラスト買いにあたります
藤田香 すっきりとまとまった絵が好き 絵師が違ってたら、「黒魔女さん」を買うのはもっと遅れたと思います
BUNBUN 華奢なコを描かせたら一番だと思ってます カレカノと薔薇マリにラジオガール。過去のイラスト担当作の実績が抜群です!
藤田和日郎 これは番外 田中芳樹作品以外で、お目にかかる事はもうない気がしますが、「ヤロフのアトラク屋」とその続編は間違いなくイラスト買いでした

 
昔だったら「いのまたむつみ」「末弥純(雷の娘とか、一時のグインとか)」「鈴木雅久(次元城TOKYOとか、狼たちとか)」あたりがイラスト買いだったかな?
(この方々の表紙イラストを見たら、速攻で買ってた記憶が・・・)
 

総括

どういう風に本を買うかを、前にまとめたことがあります。

こちら→「皆さんの本の選び方を知りたいな

そのうえで、読んで面白かった作家や、目に付いた絵師さんは、とことん追っかけますね。
これは、ネタ元の平和さんのスタンスと同じかな。
 
究極的には、まだ灰のうちに(完全にロストする前に)微かでも売り上げに貢献して、また面白い作品が読めるようになったら良いなと思っています。 

蛇足

最近は、新人さんを買うときの感覚って、ビックリマンチョコを買う感じに近いかな、とか思うようになりました。
なんせ当たりをひいた時の嬉しさったら♪
お気に入り作家の新シリーズを買うときも一緒。
 
そうなると自然、集める事自体が楽しくなって積読が増えます。
気づけば、チョコが冷凍庫に眠ったソレと全く一緒ですw

*1:新刊が、出ない・・・orz

付喪堂骨董店(2)

付喪堂骨董店〈2〉―“不思議”取り扱います (電撃文庫)*1
作者:御堂彰彦
挿絵:タケシマサトシ
 

内容

『アンティーク』と呼ばれる不思議な力を宿らせた呪物。
それがもたらす奇妙な事件を描いた作品。
今巻は、「静寂」「自分」「死目」「化粧」の4話を収録。
 

感想

続きを読む

狐とアトリ

run_about2007-06-09

狐とアトリ―武田日向短編集 (角川コミックス ドラゴンJr. 111-1)*1
作者:武田日向
 
という訳で、GOSICKの挿絵にてお馴染みの武田日向さんの短編集。
表題作含めて3作品を収録。
それぞれに番外編も用意されていて、お値打ちモノの一冊です。
これだけまとまった数の絵を拝むのは、挿絵だとまず無理なので、出版されたこと自体が素直に嬉しいです。
 
以下、感想は表題作から。

感想

タイトル:狐とアトリ

人里離れた山奥にひっそりと佇む御社*2を舞台に、最愛の姉と二人で暮らす姫巫女・アトリの一期一会が描かれます

盲目的にを慕う、勝気で真っ直ぐなアトリが可愛いのなんの。
少し時代がかった言葉使いも、その可愛らしさに拍車をかけます。
 
例)

  1. はあ・・・ 姉上の帰り遅いのう・・・
  2. 嘘は大嫌いじゃ!
  3. お供いたしとう存じます

 
うは、かわゆや!
小さな姫の「〜じゃ」って語尾は、「マハラジャ (ニュータイプ100%コミックス)」のまはらの頃から好きです。
(強く刷り込まれちゃってるんで矯正は不可ですw)
 
また。
最初読んだときは気づきませんでしたが、少し冷静になって読み返した時にびっくりしたのは、アトリがわざと怪我してまで、注意をひきたがった最愛の姉の名前が、実は出てこない点。
最初から最後まで、「姉上」で通してしまってます。
 
世界でたった一人しかいない「姉上」だから。
「姉上」といえば一人しか居ないから。
「姉上」と呼びかけるだけで良い。
 
そんな気がして、あったかい気持ちになったです*3
 
小咄めいた番外編も、ほのぼのと幸せな感じ。
本当に良いおなはしでした。
 

独り言

後藤星さんの「Others (ピチコミックスPockeシリーズ)」と対になりそうな一冊。
にしてもだ、この作品に書影が用意されてないなんて怠慢としか。

蛇足

嘘つきなお姉さん

*1:Kadokawa Comics Dragon Jr.

*2:おやしろ

*3:妹尾ゆふ子さんの「夢の岸辺」という作品があるのですが、あれのヒロインも名字しか出てこなかったっけ・・・。

〈@〉ホーム~姉妹たちの想い

@ホーム―姉妹たちの想い (角川コミックス ドラゴンJr. 108-1)
作者:高木信孝
 
先代のノートPCでは、蔵書管理に「コミュニケーションライブラリー ココロ図書館」を使ってました。
より正確には使おうと思っていたのですが、計400冊くらい登録したあたりで、PCの基盤がお釈迦に。
HDDをサルベージするのが面倒だったのでココロ図書館の利用は停止、以降は一切蔵書整理をしていません。
 
とはいえ、この人の絵はすごく好きなので、単行本が出てるのを知り買ってみました。 

内容

舞台はメイドレストラン。
店長がパパ、先輩メイドが姉、後輩が妹になるという姉妹モノ。
大らかで、無口で、しっかり者の姉達が、ドジっ娘の妹を溺愛してます。
(どこかで見た構図w)
 
収録されているのは3話で、結末はどれもハッピー。
大甘な雰囲気を味わいたい時にはオススメです♪
 

蛇足


レーベル・タイトル・作者は無論、発行日やらISBNコード、でもって寸評とかも打ち込んだのになぁ・・・orz